2009年2月10日火曜日

常きげん Kiss of Fire


常きげん Kiss of Fire
鹿野酒造株式会社
石川県加賀市
原料米/山田錦
精米歩合/55%
アルコール度数/14-15度
日本酒度/+3
酸度/1.5

■プロデュース企業のコーディネイトで生まれた酒
能登四天王と称される名杜氏、酒造りの神様「農口尚彦」杜氏が醸す銘醸鹿野酒造株式会社。
代表銘柄「常きげん」は、地酒専門店からコンビニエンスストアまで幅広い販路を持ちながら、常に高い品質の酒を世に送り出し続けるお蔵さんです。
今回紹介する「常きげん Kiss of Fire」は、2005年の秋より全米デビューを果たした国際的なアイテムであり、ルイ・ヴィトン・ジャパンのニューイヤーパーティーでも絶賛されたエピソードを持つ日本酒です。

プロデュース企業が瓶デザインだけでなく、その価格までコーディネイトを行っただけあり、骨太の酒をイメージさせる「常きげん」の先入観を塗り替えるデザイン瓶は、藍色ガラスの流線型なフォルムという、デザイン瓶の王道を採用しながら、他蔵の商品とは一線を画す個性を実現し、東京駅グランスタ内のはせがわ酒店の店頭などでも一際存在感を放っています。

ただ、このお酒の価格は750mlで3500円で、居酒屋価格で換算すると1杯2500円くらい。
決してお安い価格とは言えませんが、プロデュース企業には「お求め安い価格」とアナウンスしており、常きげんを愛飲している地酒ファンを見ていない気がするのですが、果たしてお味の方はいかがでしょうか。

■呑んでみました
最初に言っておきますが、僕は常きげんの酒は大好きです。
一升瓶で5万の「如」に至っては、まさに日本酒版「神の雫」だと思っています。
なので、常きげんに対する先入観は他の人より凝り固まっていると予想されます。
その上であえて言うのであれば、何故この酒が農口杜氏の名を冠した常きげんで無ければならないのかと。
他の酒なら綺麗な酒質と評価されるべき呑み口は、ただの薄い酒としてしか感じられず、これなら常きげんで無くとも良いのではと感じてしまいます。

想像するに杜氏は「これも酒の楽しみのひとつ」と仰られているのではと。
また、菊姫の菊理姫がそうであるように、常きげんしか呑まれない地元の愛好家さんの選択肢が増えることは、歓迎すべきだとは思います。
また、海外や日本酒を呑んだ事の無い人をターゲットにした、戦略商品としても理解できるのですが…

せめて国内向けのPR戦略は農口杜氏を前面に押し出さず、常きげんの一つの可能性としてPRして欲しかったなぁと。
もっとも酒販店のWebサイトにある、あからさまな農口杜氏キャンペーンは、プロデュース企業の本意では無かったのかもしれませんが。

酒好きの友人にKiss of Fireを呑ませた時に発した「ふぅん」という言葉が、僕の感想を代弁してくれています。

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