2009年8月4日火曜日

大信州 純米吟醸 槽場詰め 製造年月日平成10年11月15日


大信州 純米吟醸 槽場詰め 製造年月日平成10年11月15日
長野県松本市
原料米/美山錦
精米歩合/60%
アルコール度数/16度
日本酒度/+3-5
酸度/1.8

■自家熟成酒はお嫌いですか?
久しぶりの更新です。先日のことなのですが、ちょっとした調べ物があってYahoo知恵袋を覗いていたのですが、そこを見て驚きました。日本酒の賞味期限に関する質問に対して、大抵の場合「賞味期限は1年くらい」と返答されているのです。それが新酒時の風味や味が損なわれるという意味なら同意すべき部分もあるのですが、Yahoo知恵袋の論調としては「1年を過ぎた日本酒は腐ってる。呑むと腹を壊すから捨てたほうが良い」といった流れなのです。もし1年以上常温で放置した日本酒が全て腐るのであれば、僕はとうの昔に入院する羽目になっていますね。僕の周りにも熟成用に醸された訳ではない地酒を常温熟成して楽しんでいる人は少なくないので、コミュニティが違うと共有している情報が異なるのだなぁと、ネットの怖さを実感した次第です。常温熟成の日本酒は(全てじゃないけど)美味しいですよね。

■呑んでみました
そんな訳で今日の日記は大信州 純米吟醸 槽場詰め。但し製造年月日が平成10年11月15日という、かなり以前に詰められたお酒です。常温熟成では無いですけれど、国道沿いの某酒屋さんの冷蔵庫で、ひっそりと熟成されていたお酒で、画像だと大古酒っぽく色付いたように見えるかもしれませんがが、これはあくまで瓶の色。実際の酒は普通に透明です。最近の同スペック酒は緑瓶ですが、今回購入したのはスモーキーなオリーブグリーン。11月に出荷された酒なので、いわゆる『仕込み1号』に相当する酒なのでしょうか。槽場詰めらしく軽く瓶をゆすってあげると、うっすらと澱が漂っています。最近は澱絡みを生のまま熟成した酒も増えましたし、『大信州 純米吟醸 槽場詰め』も当年の酒なら間違いのない酒なのでしょうが、果たして長期間の熟成を経て、どのように変化しているのでしょうか。

今回の『大信州 純米吟醸 槽場詰め』は、冷蔵庫から出して少し温度を戻した辺りで呑んでみました。器は枯草色の、薄い柚がかけられたぐい呑みです。まず開栓して直接匂いを嗅ぐと、やはりヒネを感じます。ですが生ヒネはとうに通り越しているようで、大古酒にあるビターな香り。この手の香りは嫌いじゃないので、熟成酒として悪い印象はありません。早速呑んでみますと意外に甘くてビックリ。大信州の新酒で感じられる甘さが濃厚になった印象です。その甘い液体が流れた後に、ビターチョコ様の苦味が舌に残ります。甘味自体にフレッシュ感が残り、熟成のビター香と合わさってラムレーズンの味のようですね。熟成香が苦手な人には合わないタイプだと思いますが、古酒を楽しむ頭に切り替わってさえいれば、チョコレートリキュールと評した『秋鹿 烈』に続くヒットですね。本当はリキュールグラスで大切に少しづつ呑むべき、一期一会の酒なのですが、余りに口当たりが良いので1本開けてしまいました。
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