2009年9月23日水曜日

2009年葡萄日記 第11回「ブラックオリンピア」


今年も食います色々なブドウ。って事で今期11回目のブドウ日記は「ブラックオリンピア」です。ブラックオリンピアは昨日掲載した「あづましずく」の親となった品種で、巨峰と巨鯨を交配して作出されたもの。その甘さから「はちみつぶどう」なんて呼ばれているそうです。巨峰より大きくて長い楕円形の巨大果実が特徴とされていますが、今回入手したのは一般的な巨峰並。滋賀県の農園から1kgあたり1500円でお取り寄せしました。

今回入手したブラックオリンピアは種ありです。果肉がしっかりしていて味も濃いのですが、上等なピオーネと印象が被り、ブラックオリンピアならではの特徴が見付けにくいかも。この辺りは生産者さんによって、明確な特徴を打ち出して来るのかもしれませんが、今回はブラックオリンピアを指名買いしたくなる個性を見付ける事ができませんでした。上等で美味しいブドウである事は間違いないのですけれど。

オリンピアは皮が薄くて裂果しやすい欠点があり、生産者が少なくて幻のぶどうと呼ばれているとも聞きましたが、少なくともブラックオリンピアに限ってはネットショップでもそれなりに見かけます。ただ、赤ブドウの「オリンピア」は実際かなり数が少ないようで、僕も1度購入のチャンスを逃して以来見かけていません。来期は是非ブラックじゃないオリンピアも食べてみたいです。
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2009年9月22日火曜日

2009年葡萄日記 第10回「あづましずく」


今年も食います色々なブドウ。って事で今期10回目のブドウ日記は「あづましずく」です。あづましずくは福島県オリジナルの品種で、1992年にブラックオリンピアとコルヒチン処理により4倍体化したヒムロットを交配して作出されたもの。今回は福島県のブドウ専門の農園から、1kgあたり900円と格安でお取り寄せしてみました。

あづましずくの見た目は巨峰やピオーネのような、典型的な大粒黒ブドウなのですが、これを食べてみると果肉が非常に柔らかく、驚くほど果汁が含まれています。柔らかな食感と溢れる果汁で、そして濃厚な甘味と旨味が合わさって、まるで天然のフルーツゼリーのよう。今回初めて食べた品種なので常にこのコンディションで流通しているのかは分りませんが、今回食べたものがあずましずくの典型的なものだとしたら、相当に素晴らしい品種だと思います。今の時点では今年食べた黒ブドウの中で1番かも。福島県オリジナル品種と言うことで、なかなか手に入りにくい品種なのかもしれませんが、個人的には大変気に入ったため、来年も必ず注文しようと考えています。
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2009年9月21日月曜日

2009年葡萄日記 第9回「サニールージュ」


今年も食います色々なブドウ。って事で今期9回目のブドウ日記は「サニールージュ」です。サニールージュは1997年8月に、農林水産省育成農作物新品種命名登録規程に基づき命名された品種で、デラウェアの芽条変異によって生じた四倍体品種「レッドパール」と「ピオーネ」の交配で作られた宮崎県生まれのニューフェイス。ジベレリン処理により種無し果実として生産されています。今回は山梨県のブドウ専門の農園からのお取り寄せで、1kgあたり1100円で購入しました。

デラウェアの兄貴分的に紹介される事の多いサニールージュだけあって、味も慣れ親しんだデラウェアを思わせる印象。ぶどうらしい香りがあって、酸味は少なく、そして甘さも充分。種無しの大きめの果実で食べやすく、数あるブドウの中でも好き嫌いの出なさそうな品種だと思います。本当はデラウエアが大好きなんだけど、粒が小さくて面倒だから、つい巨峰やピオーネを買っちゃうって人には強くお勧めしたい品種。専門サイトによれば栽培も容易だそうなので、これから価格が下がり、店頭でも良く見かけるようになるかもしれませんね。
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2009年9月20日日曜日

2009年葡萄日記 第8回「早生ネオ・マスカット」


今年も食います色々なブドウ。って事で今期8回目のブドウ日記は「早生ネオ・マスカット」です。画像を見ると緑では無く、どちかかと言えば黄色っぽいのでネオ・マスカットっぽく見えないかもしれませんが、完熟するとマスカットもこういった色になるのだそうです。今回は涼玉を購入した滋賀県の農園からお取り寄せ。1kgあたり1500円の買い物でした。

早生ネオ・マスカットの外見は、いわゆる「ネオ・マスカット」に似ていますけど、実はバラードとネオ・マスカットを交配して作り出した品種なのだそうで、2006年3月に農林水産省品種登録が行われた、比較的新しい品種なのです。ただ香りはマスカットの名に恥じない豊かなもので、食べてみると非常に甘くて美味しいのですが、これまで食べなれてきたマスカットで感じていた酸味が完熟によって完全に抜けていて、なんだか砂糖水のようなアッサリした印象になっています。

これが「マスカット」と聞いて無ければ非常に美味しいブドウなのですが、少々物足りない印象もあります。もちろん完熟の方が絶対に好き、と言う方もいらっしゃるでしょうが、香り以外のマスカットらしさが無いのは中途半端に感じるかもしれません。このくらい熟しているとシュガースポットも出まくりで、贈答用にも向かないかもしれませんね。生産者さんに言わせれば「完熟発送を指定しておいて何言ってるんだ!」と、怒られちゃうかもしれないですけど……
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2009年9月19日土曜日

2009年葡萄日記 第7回「涼玉」


今年も食います色々なブドウ。って事で今期7回目のブドウ日記は、滋賀県の農園からお取り寄せした上品な色あいの品種「涼玉」を食べてみようと思います。涼玉はワイン用品種のセイベル9110とネオ・マスカットの交雑種で、細長い果実と、擦りガラスのような透明感のある色あいが特徴の品種。ただ、収穫時期が早いと結構緑っぽいようなのですが、前回のピッテロ・ビアンコが若くて酸っぱかったので、農園に注文する時に「完熟で!」と念を押しておきました。ちなみに価格は1kgあたり1500円です。

そのせいもあってか、届いた涼玉はご覧の通りの色。香りは控えめながらマスカットのようで、果肉はやわらかいのですがサクッとした歯ごたえがあり、非常に食べやすい食感。そして酸味が非常に少なく、甘さも充分なのですがスッキリとしていて、見た目と同じく味にも清涼感があります。Webサイトによっては皮ごと食べる品種と紹介されていますが、ここまで熟していると簡単に皮がはずれるので、もしも完熟の涼玉を手に入れる機会があるならば、別々に食るのがお勧めです。

個人的にもすごく好きな品種ですねー
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2009年9月17日木曜日

2009年葡萄日記 第6回「ピッテロビアンコ」


今年も食います色々なブドウ。って事で今期6回目のブドウ日記は「ピッテロビアンコ」。細長い果実が特徴で、レディーフィンガーの別名でもお馴染みのイタリア原産品種です。その特徴的な外見から街の果物屋さんでも見かける機会が増えていて、高級タルトのキルフェボンでも秋の限定にピッテロビアンコをたっぷり使った商品がありますね。今回のピッテロビアンコは、清里の果物直売所で買ってきたもの。価格は1kg辺り1300円でした。

このブドウ自体は去年も地元で買って食べていたのですが、さすがに本場だけあって果実が瑞々しく色も鮮やか。ただ、余りにも見事なイエローグリーンだったので、ひょっとしたら熟していないのかな? と思いつつ購入したのですが、家に帰ってみるとその心配が的中していました。果実の大きさ自体はそれなりで食べごたえはあったのですが、基本的に硬くて酸っぱくて、ちょっと食べるのが辛い。ごく少量種無しが出回っているそうですが、大抵は種ありなので、皮ごと実を半分食べて種を抜いて残り半分を食べるのですが、これくらい若いと薄いはずの皮の苦味も気になって、最後は残してしまいました。

品種自体は悪いはずも無く、今回はタイミングが合わなかっただけだと思うのですが、農園から取り寄せたブドウや、直接ブドウ狩りした際には、こういった経験は無いだけに残念な経験となってしまいました。やっぱり素人目には赤ブドウや黒ブドウの方が、熟し具合を判断しやすいので安心なんでしょうか?
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2009年9月16日水曜日

2009年葡萄日記 第5回「アジロンダック」


今年も食います色々なブドウ。って事で今期5回目のブドウ日記は「アジロンダック」です。アジロンダックは古くからワイン用にも使われているアメリカ系の色の濃い品種で、今でも勝沼辺りに行くとアジロンダックのワインが手に入ります。ただ、食用としては完熟すると実が房から取れやすく、流通させるのが難しいため果物屋さんの店頭では見かける事は無く、幻のぶどうとも言われていた品種。今回は勝沼のブドウ農園から直接お取り寄せしてみました。

アジロンダックの特徴と言えば、なんと言っても圧倒的な香り。今回お取り寄せした時にも箱を開いた瞬間、部屋中に濃いブドウの香りが広がります。その香りもマスカットのようなものではなく、ブドウ味のガムに使われている、あの香りのままで、人によってはジャンクな印象を受けるかも。実の大きさもデラウエアより一回り大きいくらいで種があり、食べにくいと言えば食べにくいのですが、その味は熟した山葡萄を思わせる甘さとコクがあり、最近作出された人気品種には無い力強さがあります。粒が小さくて種があって、味は濃厚に甘いって、香りの印象は違いますがピノ・ノワールみたですね。

アジロンダックは生で食べても美味しいですが、やはりフルーツソースに加工してみたくなる味と香りです。価格も2kgで1500円と格安でしたから、来年は多めに買って生食と加工で楽しみたいと思います。
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2009年9月15日火曜日

2009年葡萄日記 第4回「ロザリオ ビアンコ」


今年も食います色々なブドウ。って事で今期4回目のブドウ日記は「ロザリオビアンコ」。仕事の関係で蓼科を通過した際に、桃が目当てで立ち寄った直売所で余りに見事な房だったので購入しました。このロザリオビアンコは欧州種と表記しているWebサイトもありますが、山梨県で品種改良され、1987年8月に登録された、日本生まれの大粒の白色種というのが正しいようです。

ハウスでも路地でも栽培可能な品種なこともあって最近は栽培農家が増えていて、僕の地元の果物屋でも良く見かける品種なのですが、やっぱり本場のは房が大きい! これ1房で1キロ以上あるんですよ。価格は1キロ辺り1500円と、最近の高級ブドウの中ではお値打ちでした。そして味の方もとにかく甘く、なおかつ酸味も少なくて非常に美味しい。見た目が余りにも鮮やかなグリーンなので酸が抜けていないかなと心配になりましたが、そんな心配は全く無用でした。

あえて難点を見付けるのであれば、見た目のゴージャスさに比べて香りが大人し過ぎるのと、実から皮が外れにくい反面、若干皮が厚くて皮ごとたべようとすると苦味が目立ってしまう事くらい。それ以外は価格面も含めて優れた品種だと思いますし、贈答用にも喜ばれそうで、今後も栽培農家が増えて行くのではないでしょうか。ロザリオビアンコ、お勧めです。
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2009年9月14日月曜日

2009年葡萄日記 第3回「パイングレープ」


今年も食います色々なブドウ。って事で今期3回目のブドウ日記は「パイングレープ」。パイナップルの味と香りが楽しめるという、岡山県のブドウ農園から取り寄せたちょっと変わった品種なのです。今回紹介するにあたり名称をパイングレープとしていますが、これはあくまで現段階の商品名で、そもそも和歌山県で発見(固定?)されたばかりの品種で、まだ正式な名称も決まっていないのだとか。なんとなく「パインの味と香りが好きならパイナップルを食えばイイじゃん」という声が聞こえてきそうですが、吟醸酒だってメロンやバナナの香りがすると、それはそれで喜ばれるので、ブドウだってパイナップルの風味がしたって良いじゃないですか(笑

今回手に入れたパイングレープは樹が未だ若い事もあって、本来の魅力を充分に引き出せていないと前置きがありましたが、果実の色は一般的に店頭に並んでいる白ブドウよりも黄色味を帯びていて、どことなくパイナップルをイメージさせるのかも? ただ、早生マスカットなんかも完熟すると黄色っぽく色付きますし、この辺りは出荷時期でどうにでもなりそうな印象。実際に食べてみると微妙に酸味が後味に残る気がするのですが、香りも言うほどパイナップルっぽく無いような…… 

農園の技術が高いのか、単純にブドウとしては甘さとコクが充分にあり、上記の酸味がアクセントになっていて美味しいブドウだとは思うのですが、今の段階で「パイナップル」を前面に押されても違和感がありますね。完熟しても爽やかな酸味が後味を引き締めるブドウというだけで、充分人気が出そうなのですが、やはり話題性としてはパイナップルっぽい方が良いのでしょうか。そのあたり、この品種の真価を知るには、もう少し食べる機会を重ねなければと思います。
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2009年9月13日日曜日

2009年葡萄日記 第2回「ハニービーナス」


今年も食います色々なブドウ。って事で今期2回目のブドウ日記は「ハニービーナス」。宮崎県の農園からお取り寄せした、1998年に農林水産省育成新品種として命名されたばかりの比較的新しい品種です。ハニービーナスは見た目マスカット的な白ブドウですが、この元になっているのは紅瑞宝とオリンピア。赤ブドウ同志の交配なのに、白ブドウになるのだから不思議です。

今回手に入れたハニービーナスは、収穫時期が完熟よりも少し手前だったのか、鮮やかな緑の見た目は美しいのですが味には若干の酸を感じました。ただ、元々が濃厚な味わいの紅瑞宝とオリンピアが親なだけに、この状態でも美味しく食べる事ができます。また、果肉もしっかりしていて食べごたえがあり、噛みしめるとたっぷりと果汁が溢れ出す、とても優れた品種のように思いました。また価格も100gあたりで130円と、他の高級白ブドウに比べて価格が手頃なのも好印象。今年は皮ごと食べる白ブドウが話題ですが、味重視で選ぶならばハニービーナスもかなり高評価を得ると思います。次回はぜひ完熟の状態で食べてみたいものですねー
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2009年9月12日土曜日

2009年葡萄日記 第1回「高尾」



今年も食います色々なブドウ。って事で今年初のブドウ日記は「高尾」。1956年に東京都農業試験場で作られた巨峰の改良品種です。巨峰との見た目上の違いは、実が多少小さく細長いことが挙げられます。また栽培方法も巨峰に比べて難しいとされ、品種が誕生してから50年以上経っているにも関わらず、流通量が極端に少ない品種であることが、果物屋さんの店頭を埋め尽くす巨峰との最大の違いでしょう。今回は愛知県の果実園からお取り寄せしました。

気になる高尾の味ですが、甘みが強く適度な酸味があり、果肉がキュッと引き締まっている感じがあります。大変美味しい葡萄なのですが、価格面を考えると種無し巨峰でも良いんじゃないのかな? なんて思う面も。ちなみに僕の購入価格は2kgで3000円と、品質を考えると決して高くは無いのですが、送料が700円掛かっていますから、地元で買えば、それなりの高級葡萄が手に入る出費。個人的には巨峰に比べると味が濃くて美味しいな。とは思うのですが、これは品種に由来するものではなく、お店で買うのとお取り寄せした事による違いかもしれないですしね。

ただ、こうした高級品種で栽培が難しとなると、生産者組合などの情報交流が密に行われている事が予想されるため、巨峰に比べて市場に出回る商品の優劣差が少ないかもしれません。巨峰は好きだけど、お店によって当たり外れがあるなぁ、なんて感じた事のあるひとなら、あえて高尾を選ぶのはアリかもしれませんです。
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