2009年2月12日木曜日

東洋美人の会


東洋美人の会
開催日/2009.2.11(建国記念日)
幹事/てるじぃさん
会場/じゃのすけ(秋葉原)
出品本数/26種類
参加人数/15人

■どうかしてる出品数の酒の会
今回はちょっと趣向を変えて、先日参加してきた酒の会の御報告をお送りします。
一般的に酒の会といえば、蔵元さんをお招きした「○○の会」というスタイルや、居酒屋さんがセレクトした美酒を飲み比べる会、大森にある日本酒ファンの魔窟「吟吟」などで時おり開催される、愛好家がお気に入りの1本を持ち寄る「持ち込み会」など、色々なスタイルがあります。
そして今回は山口県萩市の地酒蔵、澄川酒造場が醸す銘酒「東洋美人」に惚れ込んだ愛好家が、自慢のコレクションを一挙に放出する飲み会なのです。

ただ、今回の東洋美人の会は普通じゃないのです。
なんたって参加人数が15人に対して提供されるお酒が、鑑評会出品酒から古酒まで実に26種類、その殆どが一升瓶です。
これ全部企画者さんが自腹で購入された酒だそうで、単純計算で1人辺り約3リットル…… いくらなんでも呑めるはず無いっ!

普通、これくらいの参加人数ならせいぜい一升瓶で6本というところ。
いつもは紹介される順番に酒を呑み比べる参加者さんも、この時ばかりは酔っ払って味が分からなくなる前にお目当てを試して行きますが、なにせ蔵に惚れ込んだ酒好きがセレクトしただけに、呑まなくて良い酒なんて1本も無いんですよ!
絶対大赤字だと思うのですよ、企画者さん。
経済的にどうかしてると思うけど、気に入った蔵の伝道師としては仙人のように素晴らしいお方でございますな。

普段は量より味わいの僕も結局僕も全部呑みまして、帰りの電車で危うく気を失いかけたのでございました。

■呑んでみました
今回は新酒の、しかも早い季節ということもあり、全体の約1割が新酒、5割が19BY、4割が熟成酒、1割が古酒という品揃え。
中でも記憶に残ったお酒は以下の3本です。

「東洋美人 純米吟醸 おりがらみ 槽垂れ 20BY」
当日呑んだ中で、味の開きのタイミングがバッチリだったのがこのお酒。
フルーティな吟醸香と味乗り、穏やかな発泡感、新酒らしい若々しさを演出しながら、好き嫌いが出なそうな仕上がりに、会場のあちこちから歓声が起こっていました。
使用している酒米は、山田錦の55%精米。
東洋美人というと、すうっと呑める優しさが持ち味かと思っていましたが、これだけ印象に残る新酒を出荷しているとはちょっと驚き。
当日が試飲販売会場だったら、間違いなく購入したのがこの1本ですね。

「東洋美人 山廃吟醸酒 18BY
このお酒は16BYと13BYも出品されていたようですが(メモを紛失し記憶だけに頼って書いているので違っていたらスミマセン)、一番新しいはずの18BYが最も味乗りが良かったです。
こちらも山田錦の55%精米を使った山廃仕込の吟醸酒で、東洋美人らしいスッキリとした口当たりのあと、山廃らしい酸味と旨味が微妙に絡み合って口の中に広がっていきます。
これ、太刀魚の干物とか、塩味系の焼き魚なんかと合わせると美味しそうですね。
16BYや13BYは、ぬる燗にすると印象が良くなりましたが、18BYだけは冷やの方が個人的には好みでしたね。
720mlで1522円ですから、この味と造りを思うとなかりリーズナブルではないでしょうか。

「東洋美人 山廃大吟醸 14BY」
これ、発売当時は色々な酒屋さんが絶賛していたのですが、個人的には余り東洋美人っぽくなくて良い印象が無かったのです。
それから6年の時を経て、どのように味が変化したのか楽しみだったのですが、以外にも新酒の時より香り、酸味共に穏やかになっており、古酒と言っても良い熟成期間ながら全体的な印象は綺麗なもの。
それを上燗(45度前後)まで暖めてあげると、底に眠っていた芳醇なお米の旨みが目を覚まし、いくらでも呑んでいれそうな美酒へと変貌したのです。

以上が僕の印象に残った3本、あとは愛山辺りが比較的印象的だったような。
惜しむらくは良い意味で個性を持った酒が印象に残り、東洋美人が力を入れているというテロワール「611」「437」「372」の3本に加え、どれかの薄濁りもあったはずなのですが、酵母の違い以外は明確な差が感じられず、余り記憶に残らなかったような。
ただ、呑み終わって改めて凄いと感じたのは、26種類もの酒が揃っているのに「こりゃあダメだ」って酒が1本も無かったこと。
東洋美人は元々好きな酒でしたが、改めてその実力の高さを再認識させられたのです。

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