2009年2月14日土曜日

華鳩 貴醸酒 オーク樽貯蔵


華鳩 貴醸酒 オーク樽貯蔵
榎酒造株式会社

広島県安芸郡
原料米/中生新千本
精米歩合/55%
アルコール度数/17.3度
日本酒度/-48
酸度/2.75

■洋酒と比較され評価されている日本酒
貴醸酒と呼ばれる日本酒をご存知でしょうか?
貴醸酒は仕込み水の全部、もしくはその一部に清酒を用いて醸造した、濃厚で芳醇な日本酒です。
貴醸酒のルーツは平安時代の「御酒」(ごしゅ)と呼ばれる酒だそうで、発酵の終了したもろみを濾してできた酒に、蒸米と米麹を入れて再び発酵させてから濾す作業を繰り返し行う「シオリ」法でつくられる酒だったとか。
この貴醸酒で現在最も知名度の高い銘柄と言えば、榎酒造が醸す華鳩ではないでしょうか。

華鳩の貴醸酒は無濾過生原酒や濁り酒から20年古酒までバリエーションが広く、そもそも一般的な地酒とは味わいの異なる酒だけに、その瓶もどちらかと言うと洋酒をイメージしたタイプが多いです。
瓶好き的な視線から言うと本当は限定500本で発売された「20年熟成大古酒」を紹介したいところなんですが、あちらは600mlで1万500円。
一般的な大吟醸と違って味のイメージがつかないので、手を出すのには勇気が必要なのでございますよ。
貴醸酒は熟成を重ねれば重ねるほど口当たりが滑らかになり、あと味のキレも一層深まりまるそうなので1度は試してみなきゃとは思うのですが。


■呑んでみました

今回ご紹介する「華鳩 貴醸酒 オーク樽貯蔵」は、その名の通り出来上がった貴醸酒を1年半ほど熟成させた後、さらにオーク樽に貯蔵してから出荷しているグレードです。
日本酒度が-48というスペックから予想される通り相当の甘口のお酒ですが、貴醸酒独特の甘酸っぱい香りとオーク樽の芳香が混ざり合い日本酒っぽさが無いので余り気になりません。
濃い酒の色からどっしりとした味わいを想像されるかもしれませんが、実際に呑んでみると呑みやすい紹興酒的な口当たりで、オイスターソースを使った炒め物が欲しくなる印象。
日本酒という頭で呑むとギョッとするかもしれませんが、ショットグラスに注いで別の酒として呑むと酒の奥に隠れた複雑で奥の深い旨味を時間をかけて楽しむ事がえきるはずです。

また、紹興酒ほど香りが強くないですから、自宅で中華料理を食べる時の食中酒としても使えそうですが、貴醸酒を醸すにはコストがかかるため、今回の商品も価格が500mlで2310円なので自宅中華にはビールで良いかも(笑
少し前に貴醸酒の新酒を熟成させずにオーク樽で貯蔵した「華鳩 貴醸酒 オーク樽貯蔵2008」という商品を呑む機会がありましたが、バランスという点では今回の方が良いかもしれないですね。

味わい的には熟成種で貴腐ワイン、新酒でソーテルヌと比較されることが多く、ともすれば海外での評価の法が高いと言われている貴醸酒。
日本酒の奥深さを知るためにも、是非一度試していただきたい1本であります。
無濾過生原酒がもう少し安ければ、もっと人気が出そうなんですけどねー

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